美味しい畑はカタツムリが知ってるよ！

『巨人』というあだ名を持つ、フランス、アルザス地方の生産者、マルク・テンペさんのご紹介です。

～ドメーヌ・マルク・テンペ～

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本拠地は、アルザス南部の中心、コルマールから7kmほど進んだ南西向きのツェレンベルグ村。

アルザスは南仏のペルピニャンの次に降雨量が少なく、乾燥した地域。南向きの夏の畑は「目玉焼きが焼ける」ほど暑いため、ブドウにもしっかりと糖度がのる。

標高は225 ～260m、粘土石灰土壌をベースに、ヴォージュ山脈の花崗岩や黄色みを帯びた石灰の混じる多様な土壌は、さまざまなブドウ品種に適合し、ミネラルたっぷりなふくよかな味わいを生み出している。

初夏、なんともいえない深い土の香りが漂うマルクの畑。雑草も元気に生い茂り、ブドウの樹の根元には直径１cm弱のミミズの穴がポコポコ。そう彼の畑はビオディナミ。総面積8haの畑で、93年からビオロジック、96年からビオディナミに取り組む彼は、化学肥料や農薬をいっさい使わず、芽かきによる収量制限や夏季剪定も行なわない。ブドウの樹が自分の力でうまいこと育っていくのを助ける以外は何もしない。見れば樹には太ったエスカルゴ（かたつむり）も。除草剤や化学肥料を使った近くの畑と比べて生き物の数は雲泥の差である。

「テントウムシが生きたまま出てこられるくらい、優しいプレスなんだよ」

と言うマルクのプレス。太陽の光を一杯に浴び糖度が充分にのったブドウは9月に選果しつつ手摘み収穫する。房、茎をつけたまま優しく5 ～ 6時間かけてプレス。地つきの天然酵母で仕込むマルクのワインからは明るく前向きな温かさを感じる。その後アルザスの伝統的な大樽フードルと古樽の中、シュールリー（澱の上）で2年間の熟成させる為、一般的アルザスワインに比べ新ヴィンテージのリリースが遅い。

今やアルザスビオディナミの第一人者と言っても過言ではないマルク・テンペ。まだ飲んだことがない！という方は是非是非、召し上がって欲しい。

今日のお薦めのワイン

マルク・テンペ　/　リクヴィル・アンヌ　2014年

https://nuimama-ny152.shop/?pid=135302647

f:id:wine-techo-kotonoha:20190712234751j:plain — リクヴィル・アンヌは2014年が初リリース

生産者　：　マルク・テンペ

地　域　：　フランス　＞　アルザス

品　種　：　ピノ・グリ60％、リースリング40％

栽　培　：　ビオディナミ

認　証　：　エコセール　

　現地でも日本国内でも絶大評価のビオディナミスト。日本大好き、陽気でタフな巨人の繊細な造りを是非！　初登場のキュヴェで、ツェレンベルク村から西へ2kmに位置するリクヴィル村で育つ2品種を古樽で24ヶ月発酵・熟成。

　アンヌというのは畑の元の持ち主の名前。高齢になってきて、畑を手放そうかな、と思った時に、では誰に譲ろう？と考えて、白羽の矢をテンペ氏に。葡萄の木も、畑も、きっと喜んだ筈。　

　アニメに出てきそうな輝くイエローの色調、草原に吹く風が柔らかい髪の毛をさっと揺らして、爽やかな香りが上がって。レモンやライム、柑橘のニュアンスが長く続く伸びやかな果実に、グレープフルーツの苦みがアクセントとなっていて（ここ大切。美味しさの秘訣）、流れのある密度の高いエキスがアフターへと誘ってくれる、って、ホントか？と思ったあなた、試してみてくださいな。ホントに美味しいので！　これから毎年、このワインが頂けるのかと思ったら、本当に嬉しいです。