ワイン手帖

ワインショップ「Shopgirl_NY152 」 エッセイ&ワインこぼれ話

実はウチの息子、引きこもり

 

息子と言っても四つ足の息子ですが、、、。

 

あの子が、あるボランティアさんの譲渡頁に載ったのは2008年の今頃。先代が亡くなったのが2007年。先代はジャーマンシェパードと柴犬のハーフの♀で、犬の特性上いいとこどりをしたような賢い子だったので、正直、次の子を迎えるとは思ってもいなかったのです。それがふとしたことで目に止まった、あるボランティアさんの頁。処分される子たちがあまりに多いことに改めて目を疑ったのでした。

 

 

もっとも使いたくない言葉、使ってはならない言葉、生きている命を処分、、、。

 

 

 

そのオバサマは保健所から引き取ると、1頭ずつ写真を撮ってはHPにアップをして、新しい飼い主を捜していました。もう、連れ出しているのですから、命の切れる日限はありません。ツイッターで呼びかけられる子たちに比べれば、この時点ではるかに条件はよいのです。

 

病院経由でご自宅に連れ帰るので、ワクチンも済ませ去勢も受けさせ、病気の子は薬も貰い(費用は新しい飼い主負担)、身綺麗になった状態でHPに載る子たちは、時間はまちまちですがほぼ、新しい飼い主と終の棲家を得ることができていました。ほぼ、と言ったのは、1頭だけ、どうしても貰い手がつかない子がいて、オバサマ自身が飼っていたからです。

 

全国から車でお迎えに行くひとたち、その人たちとのマッチングを日々やっている地道な活動に、毎日、なんとなく覗くのが日課になっていたある日のこと。

 

一頭のちょっといかつい顔をした子が載りました。

 

甲斐犬の男の子。

推定年齢、1歳~1歳半。

 

 

そのオバサマが出していた条件のひとつは、家の中で飼えること。

思わず、♂かぁ~、、、トイレがなぁ、、、と想っている自分がいて。えっ?私、飼いたいの?

 

 

いやいやいやいや、いくら散歩に連れ出すとは言っても、トイレは外と家の中のどちらでもできることを想定すると、中型犬の男の子はなぁ、、、というのが正直なところでした。

 

 

その子はなかなか貰い手が現れません。

人嫌いが災いして人前に出ないからです。で、オバサマ、あろうことか、冒険をしてしまいます。

なんと、警察犬の訓練所に預けてしまったのでした。結果は?

 

大失敗。笑

ますます人間駄目になり、臆病には拍車がかかり、細長い犬小屋の奥に隠れてしまうようになりました。

 

 

困ったオバサマ、ある日、こんな一言を載せました。

 

 

「おしっこする時に、足をあげません」

 

 

そうなの? だったら、家の中でする時はシートでいけるよね?! 

 

えー? 気にしてるよね?ワタシ、、、、。今、飼えるかもって思ったよね?

 

 

最後に背中を押したのは、なんと、亡くなった先代の♀でした。夢の中で

 

「オカーサンがムカエにイカナクテ、ダレがイクノヨッ!! ナニ、やってんのよーーーー!がぶ」

 

笑われるかもしれませんが、夢の中にでてきた先代♀は、私の洋服にガブッとして引きずり起こしたのでした。

私は本当に飛び起きました。

 

そして、翌朝、魔法使いさんに、この子、と写真を見せ、オバサマに電話を入れていました。

お迎えに行けるのは2月。それまで待っていて欲しい、と。

 

 

この業界は、秋から年末にかけてまともに仕事をしている人間は謀殺されます。休めるのは元旦の1日だけ(初売りは2日から)。秋に迎えに行くことも、連れ帰っても新しい環境にならす時間をその子の為に作ることは厳しい。こんな母でよかったら、待っててくれる??

 

 

お約束の2月、私は魔法使いさんと車でお迎えに行きました。甲斐犬のふるさと、山梨へ。

 

 

 

しかし、連れて帰ってきたまではよかったものの、直ぐに、ちょっと普通の子と様子が違う、ということに気がつきました。外に出ると、おなかを壊してしまうのです。下痢、とかのレベルではなく、消化する前の状態の便までが水便として出てしまい、人を見たらもう駄目、腰が抜ける?立てなくなってしまい、私は、その度に19kgを抱っこして連れ帰らなければなりませんでした。

 

 

ドクターの見立ては、無理して外に出したらストレスで寿命縮めますよ、というもの。ストレスが一番、身体によくない。家の中で好きにさせてあげて。

 

 

さあ、それからというもの、外に出なくても、新しい人に会う度に母は何度もウ〇チまみれ。おしっこまみれ。笑

目は△△で怯えてうつろ。私たちが起きている間は決して食事をしない。食べることも水を飲むことも、私たちが寝静まってから。必ず、私たちが寝たのを確認してから、音を消すように、ぽり、ぽり。あのでかい身体で一粒ずつ気配を消すようにして食べる。

尻尾は後ろ足の間にしっかり隠され、上がることはない。

 

 

どーしたもんじゃろのぉーーーーー?

 

 

一緒に寝てみようか?!

私の心臓の音、気を許してくれないかな、、。

 

初めて一緒に寝た日、私が寝付いたのは明け方。あの子はひょっとしたら一睡もしていなかったかも。あの子が寝付けるようになったのは、いつなのかわかりませんが、とんでもない時間がかかったことだけは確かです。

 

6年目位に、初めて尻尾が水平まであがった時は嬉しくて、魔法使いさんと祝杯をあげたものです。笑

 

あれから10年半

 

 

できるようになったこと。

嬉しい時は尻尾を振ることができるようになった。

食事は一緒に食べるのがいいらしい。

おやつをねだることを覚えた。

オカーサンの膝の上に乗っかることができるようになった(これは最近)

オトーサンにすりすりして甘えることを覚えた(これも最近)

甘え声を沢山あげるようになった。

 

 

しかし今でも初めての人は駄目。しかし水便ではなく、硬めのウ〇チをポトリ、に変わった。

 

オカーサンに文句が言えるようになった!(小さな声でワン←普段吠えない)

 

 

寿命のある間にお散歩ができるかどうかは不明ですが、でも、これだけできることが増えました。

充分です。

 

一番の変わったところは、泣きそうな惨めな△△お目目ではなく、表情が、穏やかで優しくなったこと。うつろだった眼が、私たちを見上げる時に笑っているようなしっかりした目になったこと。

私たちがどれだけ毎日癒されているかを想えば、元気に生きてくれているだけで本当に充分です。

ごつかった顔は、運動しないので、すっかり柔らかい女の子の顔に変わってしまい、別人ならぬ別犬になり、たまに♀に間違われることも。笑

 

 

 

時間は緩やかに、緩やかに流れていきます。

こんな穏やかな時間は、私自身、生まれてから初めて。

 

 

 

いいものです。

 

 

 

 

 

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今日のお薦めのワイン

ボデガス・イ・ヴィニェードス・メンコバ / ブレソ・ブランコ 2015年

https://nuimama-ny152.shop/?pid=131131086

 

 

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ブレソ・ブランコ 2015年

 

 

1989年に認定されたスペインの新しいDO BIERZO(ビエルソ)は、マドリッドから北西に400㎞位の山岳地ですが、黒葡萄はメンシア種、白葡萄はゴデージョ種という品種が認定されています。その地に2006年から4.5haで始めたワイナリーで、Gregory Perezグレゴリー・ペレスはフランス人。奥様がスペイン人なのでスペインで自分のワイナリーを始めました。

 

1977年ボルドーで生まれ、ボルドー大学で醸造学を学び、その後Ch.Grand-Puy-LacosteやCh.Cos d’Estournelで1997 ~ 2000年まで働き、クラッシックなボルドーワインをしっかりと身につけました。


そして自分のワインを造るため候補地を探している時に、まだDOに昇格したばかりでそれ程有名でなかったビエルソという地にチャンスがあると感じ、始めたのです。

 そこはまだ有難い事に農薬があまり使われている産地ではなく、古い体質が残っている所でした。しかしワインの作り方が古典的で大きな古い樽で、長年酸化熟成させるというスタイルが主流でした。その土地から生まれた葡萄の味わいを壊しているのでは?と感じるようになり、畑を完全無農薬に切り替え、スペインにも浸透してきたナチュラルワインと出会います。そして最終的にbioのワインを目指す事にしました。


ですが、フランスやイタリアのようなレベルの高いナチュラルワインは、まだまだスペインではレア。なのでグレゴリーの経験値として、まだどうしても醸造学から抜け切らない醸造をしがちですが、それでもこの地では、真面目に作っている生産者です。

 これからどんどんグレゴリーに、より極めたワイン作りに挑戦して貰いたいのですが、今はこの伝統的なDOでのスタートにブラボーを言いたいと思います。

                           (インポーター公式HPより) 

 

 

 

生産者 : ボデガス・イ・ヴィニェードス・メンコバ

地 域 : スペイン > カスティーリャ・イ・レオン

品 種 : ゴデーリョ85%、ドニャブランカ15%

栽 培 : ビオロジック

 

 マドリッドの北西400kmの山岳地、ビエルソのビオの買いブドウで造られた白。
ステンレスタンクで発酵後、そのまま3ヶ月熟成させ、無濾過無清澄で瓶詰め。


 輝くイエローの外観、ゼラニウムやバラ、ラフランスの華やかなアロマが拡がります。柑橘の甘酸っぱさと蜂蜜の優しい甘みが鼻から抜けるリッチなアフターが印象的。丸みのある華やかな果実に中程度の酸が溶け込んだふくよかな味わいが心地よい辛口です。

 

 

 

 

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