ワイン手帖

ワインショップ「Shopgirl_NY152 」 エッセイ&ワインこぼれ話

『カケコミ寺』はどこデスカ?

 

 「スミマセン、この辺に、カケコミ寺があるとキイテキタのですが、、、」

 

と、尋ねたのは鼻に白い筋のある、お尻になが~~い尻尾を持った魔物の夫婦。

 

「それならあそこに」

 

と、我が家を教えたのは誰だあーーーーーーー??

 

 

 

 

数年前、嵐の夜に、二匹の魔物が我が家に侵入した。家の何処かで泣き叫ぶ謎の声。ベランダと屋根で追いかけっこをしているのかと、覗いて見たがどこにも姿は見えず、しかし、ハ行に似た鳴き声はたけり狂った雨音に増幅してますます甲高い叫び声になっていく。さかりのついた猫にしたら様子がおかしい。いったい何もの??

 

侵入され運動場にされたのは1階と2階の間、潜り込んだ嵐の夜はとうとう一晩中、彼らは寝ないで雄たけびを上げながら駆けずり回っていて、家主である私と四足の息子を一睡も寝かせてはくれなかった。

晴れた昼間はコトリともしない。雨が降り冷え込んだ夜になると、奇妙な鳴き声と運動会が始まる。僅か2、3日の間に、インターフォン、風呂場の空調、電気、次々と “鳴らない” “付かない” が発生した。

 

謎の正体は、なんとハクビシン。元々、ここS区には都内なのに狸がいることで有名なのだが、ハクビシンがいるというのを聞いたのはその時が初めてで、しかも被害は予想以上に大きく、ついに区から紹介された鳥獣専門の駆除会社なる機関に、捕獲の罠を仕掛けて貰うという大事にまで発展した。

が、、、結論は、、、、、。

 

後日、身体の半分が長いふさふさの尻尾を持つスマートな生き物が、通りの向こうの別のオウチの門をくぐるのを見かけた。あれ? 相棒は?

 

今夜みたいな強い雨の夜は、あのハ行の鳴き声が遠くで泣いている気がする。あの子たちを山から追い出したのは我々人間なのに、駆除の対象にせねばならないとは。いつかしっぺ返しを食らうのは我々人間だ。その時は、檻どころでは済まされない気がする。

 

あれから7年、我が家は2階部分のリフォームをすることになり、ハクビシンにかじられたままになっていた断熱材も綺麗に新しくやり替えて貰った、まではよかったのだが、、、、。

 

使っていなかった押入れを壊したら、今度は謎のフンが天袋から出てきた!

元々が古い家だから仕方ないのかも、と長年やり過ごしていた場所だったので、てっきりGかと思ったら、なんとなんと犯人は蝙蝠!

えっ?! 蝙蝠???? でも姿見たことないんですけど、、、。

 

今回、壊してみてわかったのだが、この部分が建てられた47年前、当時の大工があり得ない不思議な建て方をしていて、天袋の壁と天井を支える横柱の間になんと1cmも空間を取っていたのだ。これではどうぞお入りなさいと、小動物たちに言っているようなもの。なんでそんなややこしい建て方をしたのかと、今回の大工さんたち首をひねることひねること、それでも誰もわからない、と。

 

で、そこから侵入してきたのがアブラ蝙蝠、という僅か5cm位の小さな小さな蝙蝠。この蝙蝠は限りなく人間の住処の近くにいるが、決して人間と同居はしないらしいのに、何故人が実際に住んでいる我が家に? そう言えば、父が亡くなってから私たち夫婦が戻ってくる前の数年間、母は階下で寝起きしていて、2階には誰もいない時期があった。彼らは、2階に人が上がっては来ないことをよく知っていて、寒い季節になると、ねぐらにしていたのだろう。

 

私たち夫婦が2階にやって来たので、やむなく、引越しをしたのだろうと大工さん。

え~~~~~~~!

  

そう言えばこの家、スズメが雨戸の戸袋?に巣を作りにやってきて、雛が巣立つまで雨戸開けられなかったっけ。

そう言えば、野性化した鶏も、卵を産みにわざわざ公園からぐるっと回って3軒目の我が家の庭まで毎朝やって来てたっけ。

何かある度に、みんなウチに来るなーーー。

此処って、あなたたちの駆け込み寺ではないんですけど。

 

父が最初にこの家を建てたのは昭和32年。それから直して直して直して、今回の我らのリフォームで4回目。62年もの間、この家は森に棲む住人たちの『駆け込み寺』だ。

 

おきゃくさーーん!

泊まり賃、頂いてませーーん。

 

   ハクビシン 「カケコミ『寺』のくせに、金とるんかい?!」 

   蝙蝠    「リフォームされたら、入れないじゃないのヨっ」

 

 

 

 

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今日のお薦めのワイン

マンシャ・ポンセ / プイィ・フュイッセ・VV・レ・クロ 2016年 375ml

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マンシャ・ポンセ / プイィ・フュイッセ・VV・レ・クロ 2016年 375ml

 

生産者 : Dom.マンシャ・ポンセ

地 域 : フランス > ブルゴーニュ

品 種 : シャルドネ

認 証 : リュット・レゾネ

 

 1892年創立の老舗。 ヴェルジッソンの急勾配(35%以上)の畑から仕込まれるプイィ・フュイッセ。ブドウの平均樹齢は35年。VVと言うのはヴィエイユ・ヴィーニュの略で、樹齢年数が古いことを意味する用語。手摘みで収穫後、6ヶ月間樽(1/3新樽)熟成。

完熟したリンゴのアロマ、膨らみのある蜜やバニラの甘い感じがあり、クリーンな酸味が綺麗に味わいの骨格を縁どっている。ふくよかなミネラル分を満喫できる。

 

 感動できるリッチなワインです。ハーフサイズを上手く使って欲しいので、こんなワイン探しました。

 

 

 

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