ワイン手帖

ワインショップ「Shopgirl_NY152 」 エッセイ&ワインこぼれ話

プチワインセミナー 楽しい飲み比べ

シルヒャーという名のロゼをご存知ですか?

 

オーストリアの最南端、スロベニア国境と隣接するヴェストシュタイヤーマルクは、地中海性気候の影響もあり、温暖で湿度も高い地域。名産は

 

ブラウアーヴィルトバッハーという黒ブドウから造られるロゼワイン「シルヒャー」。世界一、酸度が高いロゼワインとも呼ばれていて、日本の気候にも似た湿度の高いこの地域にぴったりの、ちょっとシリアスなロゼです。


 そんなシルヒャーで最も名を馳せている生産者のひとりがラングマンさん。1700年代から続く伝統的なワイナリーで、代々、生産のほとんどがシルヒャー。
 現当主、シュテファン・ラングマンさんは、並々ならぬ郷土愛を持った方で、シルヒャーをこの上なく愛し、地元が誇るその素晴らしい味わいのロゼワインを世界に発信する代表的な生産者です。真面目で情熱的な彼の造るシルヒャーは、酸度が高いだけでなく果実味豊富で、土地由来のミネラルを存分に感じる非常にバランスの良いワインに仕上がっているので、ひと昔前に、“シルヒャーってちょっと酸っぱくない?“ と思われていた方は是非、ラングマンの新時代のシルヒャーを試してみてください。

 

今日は欲張って、ラングマンさんの2種類のロゼをご紹介しましょう!

 

生産者 : ラングマン

地 域 : オーストリア > ヴェストシュタイヤーマルク

品 種 : ブラウアーヴィルトバッハー100%

 

 

まず初めは

シルヒャー・クラシック 2017年

https://nuimama-ny152.shop/?pid=141231711

 

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シルヒャー・クラシック

 
 白いエチケット(=ラベル)のシルヒャー・クラシックがベーシッククラスになります。3つの畑のブレンドからできていて、お値段もお手頃。

 淡い色合いですが、しっかりとした果実味、きりりとした酸を感じるシルヒャー入門のワインです。
 
 美味しさの秘訣は何と言ってもそのすっきり感。シャッキ~ンとした綺麗な酸味が兎に角爽やかで、ビネガーを使った料理との相性が非常に良いので、メニューにちょっと意識して頂くのもよいかと。
 初めてこのワインを飲んだ時はイタリアンに持ち込んで、カラスミをトッピングした、やり烏賊と大根のレモン風味サラダに合わせたのですが、レモンの酸味とワインの酸味がベストマッチでした。


 すっきりタイプが好きな方でも、少し酸味が苦手という方は、次にご紹介するホッホグレイルの方が、酸味が穏やかなので、そちらをお薦めします。

 

 

2本目のご紹介は

シルヒャー・ホッホグレイル 2017年

https://nuimama-ny152.shop/?pid=141236836

 

 

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シルヒャー・ホッホグレイル

 

  紺色のエチケット(=ラベル)のシルヒャー・ホッホグレイルは、南向きの最大斜度60度以上の急斜面、畑名「ホッホグレイル」産で、硬質なミネラルと鋭利な酸を感じる、芯の強さのあるロゼワインです。シルヒャーの最高峰なのです。

 鋭利な酸、という言葉を使ってしまうと「酸っぱいの?」と勘違いされそうですが、酸っぱいのではなく、厚み=コクがあって旨い!という酸味なのです。

 ワインはより狭い地域で造られたものの方がランクが上。広域で造られたものと、畑名(はたけめい)を付けられたワインとでは、畑の名前が入っているものが上のランク、になります。同じ葡萄を使って造られているのですが、クラシックは3種類の畑のブレンド、ホッホグレイルはひとつの畑のみ、その違いを飲み比べてみるのも楽しいです。
 先程のサラダのトッピングに使われていたカラスミには、クラシックよりこちらのホッホグレイルの方が相性抜群だったのです。それは、ホッホグレイルの方が、酸味が穏やかなので、カラスミのコクとバッチリ合った訳ですね。
 バランスの良さ、に脱帽の1本でした。(スパークリング・ワインもあります。これはまた後日にご紹介しましょう)

 

 

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シルヒャー2本飲み比べ

 ちなみに、やり烏賊のサラダはこんな感じ

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カラスミがトッピングされたやり烏賊のサラダ

 

素敵な仲間と、美味しいものを頂きながら、美味しいワインを飲んでお喋りする! 最高!

 

  

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