ワイン手帖

ワインショップ「Shopgirl_NY152 」 エッセイ&ワインこぼれ話

ショスタコーヴィチの5番は暗くて、正解だった

 

最近、N響ショスタコーヴィチの作品、よく取り上げているかも? と思ったら、指揮者のパーヴォさん、ショスタコーヴィチお好きなようでした。

 

パーヴォ・ヤルヴィさんと言うのは、2015年9月にNHK交響楽団の初代首席指揮者に就任された方で、父上のネーメ・ヤルヴィさんとは全く違った指揮者ですね。コンマスのマロさんは、ひょっとしてネーメさんの方が好きなの? と思ったことありましたが、真偽のほどは知りませんですよ。あくまで私の感想。

 

 私個人的には、パーヴォさんの出そうとしている音の方が好きですが、ご年配の方はネーメさん押しな方、多いですよね。

 

 

パーヴォさんがまだソ連にいらした頃は、ショスタコーヴィチ存命だったそうです。そうなんですよね。スターリンの時代に生きていた方なのですから、そんなに桁外れて過去の作曲家ではないわけで、どうも偉大な作曲家と称される人は、遠い過去の人のように思えてしまうのは私だけでしょうか?

 

 

で、問題の第5番なのですが、過去に読んだある解説に、 ソ連政府に絶賛された、という一言があって、それがどうしても納得がいかない、と言うか、疑問だったのです。

 

あの5番は革命20周年に作られた曲、つまり政府→スターリンの命を受けて書いた、ということですよね。そのひとつ前に書かれた4番が政府に激しく糾弾され、ショスタコーヴィチは命の危険まであった、、、。

 

理由は「政府の栄光を反映していない」だそうです。信じられないですが本当の話だそうで。

 

殺されてしまってはどうしようもない、だから、政府が気にいるような作品を書かなければならなかった。

そこまではわかるのですが、実際に聞いてみると、これのどこが明るいの?

アンバランスな旋律があるのはなんで??

 

流れてくる涙は決して歓喜ではなく、息ができない重苦しさ、溺れたらきっとこんな苦しさ、だから誰か助けて! 

 

 

正直、解説読むとわけわからなくて、これそんなに好きじゃないわ、、、と思ってしまった学生時代。

 

だから、敢えて聞こうとしてこなかった、というのが本音かもしれません。

こんなに苦しくなる曲のどこが歓喜なんだかわからん。

 

 

それが、つい最近、パーヴォさんの解説を聞いていて、昔読んだのとは真逆のことを仰っていて、目の前の霧がパッと晴れたような気分でした。

 

 

あれは強制された歓喜

「No、No,これは真実ではない」

「我々は幸せではない。真実はうわべとは違う」

 

 

普通に聞いたらそう思いますよね。

 

 

ですが、当局はハッピーエンドと捉え満足した、少し考えれば全く別の意味が込められた傑作なのに。

 

 

 

国が違って、時代も違って、しかも音楽家ではない素人の私でも “少し考えれば” に相当するのに、当局は騙された? 本当に騙されたのでしょうかね?? もしかしたら、恐怖政治におののいたのは、軍人たちそのものだったとか? よってたかって皆でショスタコーヴィチスターリンの悋気から隠そうとしたとか?? 

な訳ないか、、、、

 

 

 

ショスタコーヴィチの5番が、当局の解釈ではないのではないか、と言われだしたのは、なんと、スターリンが亡くなって直ぐの話ではないようです。恐怖政治の元凶がいなくなっただけでは足りず、戦争が終結するだけでもまだ足りず、そのあともどれだけの時間を必要としたのでしょうか、、、解釈ですら、言論の自由には当てはまらなかった? うすら寒い気がしてしまいます。

 

 

 

 

折角、訪れたこの時代が、どうぞ逆行しませんように、、、。

 

 

 

 

 

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今日のお薦めのワイン

ジェレミー・クアスターナ /  ランシュルジュ・ガメイ・VV 2017年

https://nuimama-ny152.shop/?pid=145829878

 

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折角頂いたジェレミー・クアスターナさんとこの樽の写真、ボ、ボケテル、、

 

 

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ランシュルジュ・ガメイ・VV 2017年

 

 

生産者 : ジェレミー・クアスター

地 域 : フランス > ロワール

品 種 : ガメイ主体

Bio認証 : ビオロジック

アルコール度数 : 11.5%


 シャイでマジメな男がワイナリーを設立したらこうなりましたーーーー!

 
 フランス、ロワール地方の若き生産者ジェレミー・クアスターナ、1986年8月20日生まれ、って、若いです。

 彼は、AOCで言うとChevernyのFresnesという村で生まれ育ちましたが、ワインとは全く無関係な家に育ちました。父親はフランスのガス会社にお勤め、農業とは全く無縁です。
 大学は同じロワールのTours大学、専攻は西洋史。ところが大学4年生の時、人生を変える出会いがありました。それが、たまたまお小遣い欲しさにやった収穫のアルバイト。近所のLes Vins Contesのオリヴィエ・ルマッソン氏のワイナリーです。気軽な気持ちでアルバイトしたそうですが、その間に頭に衝撃を受けるようなナチュラルワインを沢山飲み、大の大人が真剣に農業に向かって命を懸けて働いている姿を見て、衝撃を受けたと言います。大学卒業後の進学に悩んでいる中、純粋な彼はある決断をします。こんなに不思議なワインなら、もう少し勉強してみたい!と。

 そして大学卒業後、今までとは分野の違うボルドー大学の醸造学科に2年通い、本格的にワインの醸造を勉強しました。その間もオリヴィエの収穫を手伝い、忙しい時は準スタッフとしてワイン醸造も手伝いました。
 大学の卒業見習いに選んだのはボージョレの大御所、今は亡き、マルセル・ラピエール氏のワイナリー。2008年に半年間、ラピエール氏のもとでナチュラルワインを徹底的に勉強したのです。そこも無事終了し、ボルドー大学を卒業と同時に彼が選んだ人生はワインを自ら造る事。
 そして2009年、2haの畑を借ります。ワイン造りは2010年から開始。彼は生まれつき運が良かったのかもしれません。幸運にも両親を始め、色々な方が彼を応援してくれたので、こんな最短でワイン造りを開始することができたのです。
 フランスのデビューは2011年6月のボルドーで行われたVINEXPOです。ここにブースを持つのではなく、この期間にボルドーの周りで開催されるいくつかのBIOのサロンで初デビューをしました。残念ながらこのデビューの時には彼のワインはほとんどSOLD OUTです。たった2haちょっとしかない畑の数量なので、噂だけでプロの間でなくなってしまったからです。
 日本への上陸、初デビューは2010年VIN。1.6haがガメイ、0.6haがコー。今は黒品種だけです。


 是非是非勇気ある新人を応援下さい。味もしっかり美味しいです。
 ただ畑の所有者が2008年まで化学肥料を使っていました。2009年は忙しくて何も出来なかった、とのことですが、幸い無農薬にすることはできましたので、本格的に彼が手を入れたのは2010年からです。今後がますます楽しみな造り手です。
(インポーターHPより)


 樹齢60年のガメイで造る「反乱者」という意味のランシュルジュ。

 
 淡いルビー色の外観、フランボワーズやイチゴキャンディのアロマの奥にハーブや野菜の青さがします。チェリーの酸と、うす旨のエキスがうまく溶け込んだボディに、少しの塩気と苦みがアクセントとなった落ち着いた味わいのナシュラルワインです。

 

 

wine-techo-kotonoha.hatenablog.com

 

 

 

 

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