風蕭々兮易水寒(かぜしょうしょうとしてえきすいさむし)
横山大観のファンではないのですが、1枚だけ、好きな絵があります。
それは『風蕭々兮易水寒』(かぜしょうしょうとしてえきすいさむし)
どんな絵かと言うとこんな絵
この絵って、じーーーーーーと観ていると、切なくなってきませんか。犬の飼い主のあるあるかもしれませんが、、、。
作者の横山大観が、死の3年前87歳の時に描いたもので、自分の絵画における苦悩あれこれに思いをはせて描いた、とされていますが、私は全く別の意味で、切なくなるのです。
この絵の元になっているのは、中国の司馬遷の『史記』。秦の始皇帝の暗殺を命じられた荊軻(しかん)の飼い犬の目線から、飼い主の荊軻を見送っている図です。
この絵の主人公は、犬。
暗殺という役を命じられ、二度と自分の元には帰っては来ないであろう飼い主、戻らぬという覚悟を秘めた飼い主の背中をただひたすら見送る犬。
史記の中では、荊軻は車に乗って去って行き、最後まで振り返らなかった、とあります。
犬は非常に聡い生き物です。本来なら、人間より命の短い自分の方が、飼い主に看取られて逝くのが普通だとするなら、生きられる筈の人間を見送らなければならない犬。しかし、どんなに聡くても、飼い主が死にに行くとはわかってはいません。ただただ、その後ろ姿の異様な空気を感じ取って、じっと渡れぬ川面を凝視しているのです。
絵空言の中でしょ、と言われてしまえばそれまでですが、飼い犬や飼い猫を置いて行かなければならなかった被災者たち、に置き換えれば、辛さはたやすく想像できるでしょう。
先日、ツイッターの犬仲間のワンが旅立ちました。
花の沢山詰まった棺、ちゃんと飼い主に看取られてよかった、と心底思ったのです。
連れて行きたくても、一緒には行けなかった飼い主や、後を追いかけられなかった沢山の子がいるなかで、花に埋もれて見送って貰えた、ただ一言、よかったな、と。
風蕭蕭として易水寒し(風は寂しく吹き、易水の流れは冷たい)
壮士一たび去りて復た還らず(壮士がいったん去ったなら二度とは戻らない)
最後まで看取ってあげられるよう、せめて君より一日でも長く生きていたいと
いつも思うのです。
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